Thelonious Himself|セロニアス・ヒムセルフ

組織の中で、不平、不満はつき物でしょう。例えそれが正論でも同じことです。

ならば、それに属さず、独りでやるしかないと気づき、40年以上が過ぎてしまいました。

おそらく、はたからすれば、好き勝手で気楽そうに見えるのかも知れません。

類似した相談を受けることが多々あります。

でも、殆どの場合、私のような選択肢をすすめることはありません。

はた目で見るより、結構、辛いことも多いからです。

今更ながら『組織の中のほうが働きやすかったかな?』と思うこともありますから。

この歳ではそれも叶いませんし、組織の中では【出る杭は打たれる】のも事実です。

ところが、それも程度の問題で、とんでもなく出てしまった杭は、逆に重宝されることもあります。

セロニアス・モンクも、飛び出てしまった杭だと思っています。

マイルス・デイビスから『おれがソロを吹いてるときは、そのけったいなピアノは弾くな』と揶揄されようが、おかまいなく、自分のスタイルを全うしてしまします。

Haru
Haru

マイルス・デイビスも彼を嫌っていたのではなく、彼の奔放すぎるピアノを理解した上での発言だったことは、後日談で明かされています。

先輩にそんな物言いをするマイルス・デイビスといい、若造からそんな言葉を投げつけられても飄々と演奏できるセロニアス・モンクといい、やはり人を計る物差しが常人とは違うのでしょう。

そんなこともあり『セロニアス・モンクはソロ・ピアノが似合う!』と、ずっと確信してきました。

中でも一番好きなアルバムが【セロニアス・ヒムセルフ】です。

それも、独りで、かなりの音量で聴くのがお気に入りなので、回すのは、自ずと営業終了後になってしまいます。

店の片づけを済ませ、取って置きの一杯をやりながら聴いていると、ざらついた昔のことが浮かんでくることがあります。

でも、B面の【’Round Midnight】が流れるころには、ざらつきも消え、心地よくなってくるのが常なのです。

何かをリセットしたいときに聴くカンフル剤のようなアルバムなのです。

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