相方とふたりで店を切り盛りするようになって、まもなく3年になろうとしています。
それ以前は、ほぼ独りでやっていました。
その頃の話になりますが、何故か、若い女性からのさりげない恋愛相談を受けることが多かったのです。
現在は、相方が担当してくれるので助かっています。
飲む話ならいざ知らず、人の恋路に物申すなどは苦手な方なので、返答に苦労した覚えがあります。
とは言え、うら若き女性からのご相談ですから、無駄に重ねた歳をフル活用して、以下のような内容をお伝えしてきました。
*
相方と私は、趣味も性格も似通ったところが少ない上に、歳の差もあります。
共通の趣味ともいえる音楽にしても、好きな傾向は似ていても、ジャンルは違います。
コーヒー好きは同じでも、味の好みは微妙に違っています。
唯一の共通点を探すとすれば、お互いに一人前で無い部分が多いことでしょう。
つまりは半人前【0.5】なのです。
『個別では半人前の二人が一緒になり、はじめて正真正銘の二人になる』
それが、二人の計算式だと思って暮らしてきました。
【0.5 + 0.5 = 2.0】
こんな計算式になります。
但し、相方に聞かれたなら
『わたしが1.5で、あなたが0.5なのよ』
と、一蹴されるのは目に見えているので、これは墓場まで持って行く事案に入れてありました。
算数の世界では【0】を幾ら重ねても【0】でしかありませんが、現実の世界では違うように思うのです。
【0】を幾度も重ね合わせて何かを産み出してしまうのが人間なのではないでしょうか?
誰かを本気で好きになったとしましょう。
どんなに好きになったとしても、一つや二つは気にかかる部分はあるものです。
人である以上、それぞれが、さまざまな面を持っています。
それは、容認できるかも知れないし、到底、相容れることができないかも知れません。
でも、多くの人は知らず知らず自分の尺度に当てはめようとしてしまうように感じます。
それは【0.5】を、無理やり【1】に近づけようとするようなものでしょう。
でも、すべてをひっくるめて好きになってしまえばいいと思いませんか?
このご時世での例えとすれば不適切かも知れませんが
『痘痕も靨』なのです。
私の浅はかな経験からすると
『この人を、本当に好きなのかな?』
と迷ったときには
『この人のすべてを受け入れられるかな?』
と、正直な自分に訊いてみるのが、手っ取り早い解決策だと確信しています。
そして、どうしても駄目な部分があったのなら、清く諦める。
そんな選択肢があることを忘れないで欲しいです。
*
コメント