40代と思われる、品のいいカップルがご来店されました。
オーダーはモスコー・ミュールとゴッド・ファーザーです。
「幸せそうで安心したよ」
遠慮がちな、男性の声が聞こえてきました。
「あなたは?幸せじゃないの?」
何と絶妙な切り替えしでしょうか。
「別れた女房と飲むのが唯一の楽しみになった男の幸せなら堪能してるけどな」
なるほど、別れたご夫婦のようです。
女性はモスコー・ミュールを半分ほど飲まれたのですが、男性のほうは口をつけていません。
「別れたの、知ってるわ」
「逢ったのか?」
女性は、グラスを見つめたままです。
「でも。。。良かったじゃない」
「良かった?」
「別れたことよ。彼女と逢ってはじめてわかったんだけど。。。」
女性が、残りを一気に飲み干しました。
「彼女、わたしとそっくりだった」
「これでも落ち込んでるつもりなんだけどな」
「そうはみえないわ」
「。。。」
「今のあなた、生き活きしてみえる。出逢ったころと同じようだわ」
「そっちは?彼と、うまくいってるのか?」
「現状維持ってとこかな。子供のこともあるし」
「そっか。。。」
「あと5年は無理ね」
「でも、大丈夫だろ?俺と違って誠実な人だし」
「そうよ、昔のあなたと同じくらいにね」
2杯目のモスコー・ミュールのオーダーが入りました。
でも、男性のほうは、半分も減っていません。

Haru
これはフィクションで、my Styleのお客様とは関係ありません。。。たぶん
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