距離

人との付き合いにおいて、程よい距離とはどれくらいなのでしょう?

客商売に携わっている身としては、ずっと気にかかっているところなのです。

心理学者のエドワード・ホールの説を借りると、物理的な距離は【60cm】がひとつの境であるらしいです。

つまり、それ以内は親密な距離となってしまう、ギリギリの境界線ということでしょう。

そこで、顔の前からメージャーを伸ばしてみたところ、なるほどと納得できる距離でした。

言い換えれば、相手の香りが届かないギリギリの距離のようにも感じられました。

はっきり言って、親密な中ならどんな距離でも問題などありません。

始終べったりと張り付いていようが、傍目さえ気にしなければ、当人たちの問題なのですから。

現に私のそばにも、私の首筋に鼻を近づけてクンクン匂いを嗅ぐのが好きという厄介な人がいてくれます。

しかし、これが社会的な人づき合いの距離となると、いささか難しくなってくるでしょう。

自分の持っている距離の基準と相手のそれを見比べる必要があるからです。

それを見誤ると【他人行儀な奴】或いは【なれなれしい奴】となってしまいます。

私も含め、人づき合いを苦手と感じる人にとっては、このあたりの匙加減に悩んでしまうのです。

逆に人づき合いの上手い人は、その距離の取り方が絶妙で、付かず離れず、それはもう心地よい間隔で接してくれます。

それは生まれつき身に備わったものなのか?

はたまた、努力の賜物なのか?

機会があれば、そのあたりの教えを請いたいと、常々、願って憚らないのです。

コメント