Thelonious Himself

セロニアス・ヒムセルフ

Thelonious Monk (p)
John Coltrane(ts) & Wilbur Ware(b) Mobk’s Mood only // Apr. 1957 Riverside

相方と私は、こと音楽の好みに関してだけは似かよっていて、彼女が薦めるものは、おおかた私も気に入るし、その逆も同じなのだが、セロニアス・モンクだけは違っている。

私の大好きなモンクを、彼女は大嫌いなのだ。

彼女曰く、モンク特有の響きやタイム感が合わないという。

なるほど、彼女がクラッシック・ピアノを弾いていたことを考えれば納得できる意見である。

譜面では表せない部分が肌に合わないのだろう。

幸いかな、私にはピアノを弾く素養など、もともと備わっていなかったので、そのあたりは何の抵抗も無く、すんなりと入ってきてしまった。

だからだろうか、モンクのアルバムの中では、自由奔放に弾くソロが一番好きなのだ。

ともあれ、相方が在店中にモンクが流れることはまず無いが、閉店後、独りで聴く【’Round Midnight】は、私の酒量を増やす根源になっている。

その【’Round Midnight】だが、CD化にあたり、In Progressと銘打たれた20分以上の別テイクが追加された。

その良い悪いはさておき、モンク好きにはありがたいとしても、馴染みのない方々には、モンク離れを助長するだけのように感じてしまった。

演奏自体も緊張感が漂うオリジナル・テイクの方が聴き応えがある。

コメント