手っ取り早く酔っ払いたいときにはジンを煽ることが多いのですが、それを凌駕する最強のカクテルが【フランシス・アルバート】です。
タンカレーとワイルド・ターキー8年を混ぜるという、想像しただけで酔いが回りそうなカクテルですが、フランク・シナトラの本名から命名されたとのことです。
由来とされているのは、どちらも彼の愛飲している銘柄だそうで、当然、この銘柄は変えてはいけないレシピになっています。
店のメニューには年代表記の無い【101】しかありませんが、このカクテルだけのために【8年】表記も在庫してあります。
しかし、ビルド、ステア、シェイクの技法は指定されていなくて、ショートでもロックでも適量のソーダで割ってもいいとのことです。
つまりは、47.3%と50.5%のチャンポンを作って飲めということでしょう。
試しに、それぞれ作って試飲してみました。
シェイク・ショート
それぞれの個性が打ち消されて新たな個性が出現して、まさしくカクテル。ひょっとしてオリジナルはこれかもしれません。でも、私には合わなかった。
ステア・ショート
きりっとしたタンカレーばかりが主張しすぎて、あまりにもターキーが可愛そうです。バーボン好きの私としては、これは無し。
ステア・ロック
ショートの時とさして違わない印象。試しに少しのソーダで割ってみましたが、好みから遠ざかる一方で、これも無し。
ビルド・ロック
最後に大き目の氷を入れたグラスでビルドしてみたところ、これが私にはピッタリでした。グラスの中で、タンカレーもターキーも仲良く共存している感じです。
『一粒で二度美味しい』というフレーズが浮かんできました。
やはり私には ”Simple is best” が性に合っているようです。
*
半世紀以上も生きていると、いろいろなことが通り過ぎていき、酔いに任せて忘れたいことも増えてきます。
そんなときは、忘却へ導く冪関数を呼び起こすカクテル【フランシス・アルバート】をおすすめします。
ただし、くれぐれも飲みすぎにはご注意ください。
コメント