この言葉を耳にして違和感を感じないだろうか?
恐らく、半分以上の方々は感じないだろう。事実、巷のニュースなどではよく耳にするフレーズである。しかし、これは明らかな誤用で、例えるなら【馬から落馬】と同じなのである。
【犯罪】という言葉自体に【罪をおかす】という意味が含まれていると言えば理解していただけるだろう。
これが、このブログのような、こ五月蠅(うるさ)い爺が論(あげつら)う場ならいいのだが、それなりの影響力があり、それ以前に、その根拠がどこにあるのか判らないほどに偉ぶった方々がおっしゃったのでは、流石に笑って済ます訳にはいかないのである。
先般、お話をさせていただいた方によると、この手の誤用は日常茶飯事とのことで、私としては冗談としか思えない【丸く円を描く。。。】【渦巻く怒涛が押し寄せる。。。】などの表現が、普通に舞い込むらしい。
誰にでも思い込みによる間違いはある。私とて偉そうなことは言えない。
それでも、定期的に過去の文章を振り返り、誤用を見つければ、人知れず訂正している。
それが、公共的なメディアとなれば、発信する時点で訂正しなければならないのは自明の理であろう。
その点を、言葉を扱う職業の方にお伺いしたところ、やはり、最終的にチェックする部門があり、誤用を無くすとおっしゃていた。
私は、常々、日本語の良いところは、寛容性だと思っている。
【敷居が高い】の誤用も、昨今では容認されているようだし、思いが通じれば良しとするのが日本語なのだと考えれば、致し方ないように思う。
しかし、日本語の美しさに憧れて、終生、学ぼうとしている身にとっては、些か淋しさを覚えてしまうのは否めない。
今は便利な世の中である。ちょっと検索さえすれば、すぐに正解を得られるのだ。
思い込みに頼らず、公開前に少しでも推敲する癖さえつければ、前述したへんちょこりんな日本語は、確実に減ってくる筈である。
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