バーボンを知らない方でも【ワイルド・ターキー】の名前を知っている方はいらっしゃるのではないでしょうか。
アメリカン・ウイスキーの中では、ジム・ビームと並び知名度が高い蒸留所です。
バーボンが色物的に扱われていた時代でも、日本の市場に目を向けてくれた、愛すべき蒸留所でもあります。
私は根っからのターキー好きなので、店在庫の種類も多く揃えてあります。
今回は、その中でも飲んでいただきたいアイテムを紹介することにしました。
8年
バーボンでは長期になる8年熟成と、定番の101プルーフで【ワイルド・ターキー】と言えば、これを思い浮かべる方は多いでしょう。
私が最初に飲んだのもこれでした。
バーボンを代表するような飲み口ですので、一度は飲んでいただきたいアイテムです。
強い樽感と裏に隠れたドライフルーツのような果実感を感じていただければ、バーボン好きへの扉は開かれたようなものです。
気軽に飲んでいただける価格帯ですので、バーボンが気になりだした方におすすめします。
訳があって、店のメニューには、下の【101】しか掲載してありませんが、店在庫はしてありますので【101】と飲み比べたい方はおっしゃってください。
101
年代表記のある【8年】は、日本向けのアイテムとして流通していますので、手に入りやすかったのですが、アメリカ国内では、年代表記の無い【101】が定番となっています。
数年前までは手に入らなかったのですが、【12年】と共に、アジア市場向けに販売されるようになり、ひと足先に手に入るようになりました。
メーカーによれば、中身は同じとのことでしたが、飲み比べた結果、こちらの方が私好みだったので、店のメニューには【101】を掲載してあります。
【8年】と比べるとドライ感が強く出ていますので、それを軽さと感じるかも知れません。
でも、ニート、ロック、ソーダ割りでも色あせないオールマイティさは【101】の方だと思っています。
逆の見方をすれば、日本の味覚に合っているのは【8年】の方なのでしょう。
12年
いつの頃か市場から消え去り、変わりに【13年】が出回るようになって久しいですが、ついに【12年】が101プルーフで復活してくれました。
それに伴い【13年】は終売になっています。
【12年】復活のニュースが流れた途端、バーボン好きの中では話題が沸騰していました。
バーボンでは珍しい12年の長期熟成からくるコクの深さと、バランスのとれた飲み口が忘れられないファンが多かったのでしょう。
私もその一人なので、早速手に入れてワクワクしながら飲んでみました。
このご時世ですので、価格的に高騰した部分は差っ引いたとしても、ちょっと拍子抜けしたのが、正直な感想です。
それは、単なる古いタイプの酒飲みが抱くノスタルジーでしかありませんが、手放しでおすすめするのは遠慮しておきます。
気軽におすすめできる価格ではありませんが、これまで【12年】を飲まれたことがない方でしたら、何かの記念日のご褒美として一杯如何でしょう。
レア・ブリード
【ワイルド・ターキー】の魅力に開眼した方におすすめしたいアイテムです。
加水しないで瓶詰めされているので116.8プルーフと、アルコール度数は高いですが、芳醇な樽香で、それを感じさせません。
バーボン特有の香りを楽しみたい方には打ってつけでしょう。
とは言っても、流石にアルコール感が強すぎると感じたなら、少し加水すると、甘さが前面に出てきますのでおすすめです。
好みの問題ですが、ソーダで割ると樽感が強く出すぎるので、あまりおすすめできません。
割るのなら、いっそ水割りの方がおいしく飲んでいただけるのではないでしょうか。
それ以上に、これまで何度かボトルのデザインが変更されていますが、他のアイテムと比べて、飲み口の変化が少ないことは、特筆に値します。
画像は旧ボトルで、現在の店在庫は新しいデザインのボトルに変わっていますが、まだ飲み比べていません。もし変わっていたら、ごめんなさい。
ケンタッキー・スピリット
古くからあるシングルバレルのアイテムです。
ボトルによって飲み口に微妙な違いが出てくるのは、シングルバレルの面白さのひとつでもあります。
それが【ケンタッキー・スピリット】に至っては、当たり外れと言えるレベルなのです。
そこが好きで昔から飲み続けているのは、単なる私の好みでしかありません。
味わいは【8年】の系列だと判っていても、当たり外れを考えながら、新しいボトルを開けるときのワクワク感がたまらないのです。
『外れたらどうするの?』なんて、無粋なことは言わないでください。それもまた楽しみなのです。
因みに、残り少ないこのボトルは当たりでしたので、飲まれる方は、お早めにお試しください。
現行のボトルデザインは変更になっていますが、このデザインの在庫があと1本ありますので、開栓するのを楽しみにしています。
ライ
マッシュビルは、コーン37%・ライ麦51%・大麦12%と公表されています。
ライ・ウイスキーの要件を満たすギリギリの配合になっているので、ライ特有のスパイシーさやドライ感は大人しくまとめられています。
バランスがいいとも取れますが、ライ好きの方なら、物足りなさを感じてしまうでしょう。
でも、ライの味わいはしっかりと伝わってきますので、初めてライを飲まれる方にはおすすめできます。
万人受けするライ・ウイスキーを目指すと、こうなってしまうのかも知れません。
ライ好きなので、ライに関しては、いつも辛口になってしまいますが、余程ライが好きでない限り、これぐらいの飲み口が丁度いいのでしょう。
番外
ここからは、機会があれば飲んでいただきたいアイテムの紹介です。
単純に私が好きで飲んでいるだけですので、興味が無い方は飛ばしてください。
ワイルド・ターキーのマスターディスティラーでもあるラッセルズ親子の名を冠した【シングルバレル・バーボン】と【シングルバレル・ライ】です。
バーボンとライの美味しさを知っていただくなら、是非とも飲んでいただきたいのですが、いささか値が張りますので、声高にはおすすめできません。
でも、しっかりとしたコクと豊かな味わいのバランスは完成度が高く、バーボンやライを飲みなれた方なら、きっと判っていただけると確信しています。
これはと思うアイテムをお探しの方に試していただきたい2本です。
まとめ
【バーボン】の代名詞と言ってもいい【ワイルド・ターキー】
蒸留所の起源は1869年に操業を開始した【リピー蒸留所】だと言われています。
その後、紆余曲折を経て、現在はイタリアのカンパリ社の傘下になっています。
そのあたりの経緯は、詳しく説明されたサイトがありますので、そちらを参照してください。
バーボンの味わいも、昔に比べると随分変わっています。
言い換えれば、ご時世にあった飲み口になったとも言えるでしょう。
そんな中でも、変化を最小限に止めてくれているのが【ワイルド・ターキー】だと言えます。
昔から多少の変遷はあったものの、ほぼ変わらぬ味で楽しませてくれている数少ない蒸留所ですので、バーボン好きには欠かせないアイテム揃いです。
これ以外でも、手に入るアイテムは数点ありますが、今回は店在庫してあるものに限って紹介しました。
リーズナブルな上に、価格に見合ったバーボンらしさを味わえるので、是非ともお試しください。
私が【バーボン】沼に嵌るきっかけになった【ワイルド・ターキー】ですので、思い入れが過ぎた部分があった所は申し訳ありません。
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