真っ赤な封蝋が印象的な【メーカーズ・マーク】
スーパーの酒売り場や、コンビニでも見かけることが多くなりましたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
価格的にもお値打ちなので、家飲み用にもおすすめしたい【メーカーズ・マーク】を飲み比べてみました。
それぞれの価格はhttps://barmystyle.com/list.htmlでご確認ください。
メーカーズ・マークってどんなバーボン?
【クラフト・バーボン】なる名称を、よく耳にするようになったのは、ビーム社がサントリーの傘下に入ったころからで、ブッカーズをはじめとしたアイテムで、盛んに使われるようになりました。
【クラフト】から受ける、手作り、高品質などのイメージが合っていたのでしょう。
でも、その精神を1950年代から、ブレずに受け継いでいるのが【メーカーズ・マーク】なのです。
トレード・マークともなっている赤い封蝋をはじめとして、鉄分の含有率が少ない水源、ライ麦の代わりに冬小麦を使うマッシュビルなどは、良い例となっています。
2000年初頭までは黒や金色の封蝋もありました。
この封蝋は、現在でも1本ずつ手作業で行われているので、同じ形状のものはありません。
それだけを取っても【クラフト】に対する思いが伝わってきます。
4種類のマーカーズ・マーク
メーカーズ・マーク・レッドトップ(90プルーフ)
目にすることの多い【メーカーズ・マーク】のスタンダード・ボトルです。
同社の特徴ともなっている冬小麦の柔らかさを感じられる飲み口になっています。
この価格帯に多いセメダイン臭も柔らかいので、小麦特有の和らかな甘さも感じやすいでしょう。
主張するところが少ないので、リキュールとの相性も良く、カクテルのベースとしても使いやすいです。
私も、銘柄の指定がない限り、ミント・ジュレップは、これで作っています。
価格もお手頃ですので【メーカーズ・マーク】を初めて飲まれるなら、このレッドトップがおすすめです。
ボトルのサイズも50mlから1.000mlまで5種類あるのも嬉しいところです。
メーカーズ・マーク46(94プルーフ)
【インナーステイブ】と呼ばれる特別な工程で、数か月間後熟成されたアイテムです。
これは、チャーリングされたフレンチオークの板を沈めた樽を使う製法で、オークを中心としたウッディーな香りが特徴です。
レッドトップと飲み比べると、その差は明らかで、中でも柔らかな口当たりからは想像できない余韻の長さは別物と言えます。
それをどう感じるかは飲み手の問題なのですが、私は強すぎる樽感がバランスの悪さに感じてしまいました。
それでも人気はあるようで、初回の仕入れ値と比べ価格が高騰しているため、次回のボトルからは値上げしなくてはなりません。
そのあたりも考慮して、在庫限りにしていますが、ご要望が多ければ継続します。
特異な製法といい、ちょっと厄介なボトルですが【メーカーズ・マーク】の違った一面を味わえる1本には違いありません。
メーカーズ・マーク101(101プルーフ)
2000年初頭に終売となってしまった金色の封蝋がされた【ゴールド・トップ】と同じ101プルーフのアイテムです。
流石に【ゴールド・トップ】の完成度には及びませんが、バランス感は近い物を感じます。
ハイプルーフからくるアルコール感はありますが、刺激的なものではありません。
あくまでも私の印象になりますが、今回の飲み比べの中で、最もメーカーズ・マークらしさを感じました。
価格的には上位のクラスになってしまいますが【メーカーズ・マーク】の美味しさを知るには欠かせないアイテムです。
機会があれば、是非お試しください。
メーカーズ・マーク・カスクストレングス(バレル・プルーフ)
樽から出した原酒を加水することなくボトリングしたアイテムです。
アルコール度数は樽により違いますが、おおむね54~58%が多いようです。
現在ある店在庫のバッチNo.は17―01で110.9プルーフ(55.45%)です。
説明するまでもなく、原酒本来の飲み口を味わえるので【メーカーズ・マーク】の趣を知るには打ってつけです。
レギュラー・ボトルのレッドトップを。そのまま濃厚にした飲み口と考えていただければ判りやすいでしょう。
不思議なことに、アルコール感は、上の【101】より穏やかに感じられます。
機会があればでいいですので【メーカーズ・マーク】の飲み比べの到達点としてお試しください。
まとめ
あまりにもポピュラー過ぎる上に、柔らかな口当たりのせいで、過小評価されている【メーカーズ・マーク】ですが、個性豊かで美味しい銘柄には違いありません。
バーボン好きに好まれる骨太さはありませんが、その分、優しくてまろやかな口当たりは、他に類を見ないものがあります。
特に、バーボンを飲みなれていない方や、バーボン特有の香りが苦手な方には、飲んでいただきたい銘柄です。
古くから、クラフト・バーボンへの思いをブレることなく貫き通している【メーカーズ・マーク】を、これを機会にお試しください。
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