【ゴッドファーザー】と言えば、1972年に公開された映画【The Godfather】が、真っ先に思い浮かぶことでしょう。
原作は1969年に発表された、同名のベストセラー小説で、原作者のマリオ・プーゾは、映画の脚本も手掛けています。
そして、この小説をイメージして作られたとされているのが【ゴッドファーザー】なのです。
昔から好きなカクテルなので、独りで飲み歩くときに〆でオーダーしたり、自分で作って飲むことも多いです。
レシピは至って簡単で、ウイスキーとアマレットを、氷の入ったグラスの中で混ぜ合わせるだけです。
アマレットは杏子の核を原料にして作られる、イタリア産のリキュールで、一般的にはアーモンドの香りと言われますが、杏仁豆腐の方が判りやすでしょう。
ウイスキーに関しての指定は無く、作り手の選択に任されていますので、オーダーするたびに、どんな銘柄で作ってくれるのかワクワクできます。
ウイスキーをベースにして作るカクテルは、使うウイスキーの種類で趣の違いが顕著に現れます。
そこで、自分の備忘録も兼ねて、代表的な銘柄で作り、飲み比べてみることにしました。
配合は代表的な|ベース(3/4): アマレット(1/4)|で作りました。
スコッチ・ウイスキー
原作の時代背景は、禁酒法時代なので、密輸されていたのはスコッチ・ウイスキーということになります。
その為か、これまでの経験では、スコッチをベースにして提供されることが多いです。
そこで、ハイボールのオーダーに使っている【デュワーズ12年】を選択してみました。
やはり、ウイスキー感とアマレットの甘さのバランスが、しっくりとくる飲み口です。
スコッチで提供される頻度が多いのも頷けました。
でも、私にはアマレットの甘さが気になってしまうレベルでした。
初めて【ゴッドファーザー】を飲まれる方におすすめしたい組み合わせです。
私としては、知り合って間もないカップルの、ベタベタした甘さが気になって落ち着かないイメージ。
バーボン・ウイスキー
無駄に揃えてしまったバーボンの中から、何を使うか迷いましたが、やはり、バーボン好きになった因縁の【ワイルド・ターキー】にしました。
バランスの点では、スコッチとは正反対です。
バーボン特有の樽香と、アマレットの甘さが鎬を削っている印象で、一体感はありません。
逆に言えば、それぞれの個性を楽しめると思えば納得できる飲み口です。
甘さを感じられる【オールド・グランダッド】辺りだと印象が変わるかも知れません。
どちらにせよ、2種類のアルコールが入っていることを感じさせてくれる飲み口です。
逢えば喧嘩が絶えないのに、何故か長続きしている不思議なカップルのイメージ。
テネシー・ウイスキー
これまでテネシー・ウイスキーでは試したことがなかったので作ってみました。
選択した【ジャック・ダニエル】は、テネシーの老舗として根強いファンを持つ銘柄です。
独特なドライ感のある飲み口から、私はソーダで割ることが多かったので、アマレットとの相性は未経験でした。
結果を言えば、アマレットの個性が強く出てきますので、アマレット好きの方には喜んでいただけるでしょう。
でも【ゴッドファーザー】としてのバランスを考えると、ベースの比率を増やした方がいいようです。
同じテネシーでも、飲み口が違う【ジョージ・デュッケル】で試してみたくなりました。
ふたりの年齢に開きがあって、どちらかが甘え切ってる歳の差カップルのイメージ。
ライ・ウイスキー
銘柄は違いますが、自分用に作るときの組み合わせです。
今回はライ・ベースのカクテルに使われることが多い【オールド・オーバーホルト】を使ってみました。
ライ・ウイスキー好きなので、贔屓目な感想になりますが、この組み合わせは、ライとアマレットとのバランスが気に入っています。
今回、銘柄を変えてみても、それが崩れることはなかったので、やはり相性はいいのでしょう。
因みに、ライ・ベースのカクテルとしては【マンハッタン】の方が知名度は高いです。
でも、飲みやすさの点では【ゴッドファーザー】に軍配があがるでしょう。
互いの個性を尊重し合い、あ・うんの呼吸で長続きしているカップルのイメージ。
まとめ
日頃はウイスキーをロックなどで飲まれている方が、いきなり【マンハッタン】などのショート・カクテルを飲まれるのは抵抗があることでしょう。
でも【ゴッドファーザー】のようなスタイルでしたら、抵抗なく飲んでいただけると思います。
また、ベースをウォッカに変えると【ゴッドマザー】、スコッチとドランブイで【ラスティ・ネイル】、ウォッカに変えると【ルシアン・ネイル】、アイリッシュとアイリッシュミストで【ミスティ・ネイル】etc.
このように、様々なバリエーションがありますので、入りやすいのではないでしょうか。
これを機会に、カクテルの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょう。
ご紹介した4種類のベースは、どれでも同一価格で対応できますので、ご注文の際にお気軽にお申しつけください。
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