Straight, No Chaser

Thelonious Monk(p)//Charlie Rouse(ts)//Larry Gales(b)//Ben Riley(ds)
Nov.1966 & Jan.1967 NYC

セロニアス・モンクのアルバム・ジャケットには、個性的なものが多い。

このアルバムもLPのほうが、断然、存在感がある。

事実、昔は所有していた記憶があるものの、行方知れずになって久しい。

おそらくは“奴”のところではないかと思い当たる節はあるのだが、疎遠になっている上に、あまり顔を合わせたくない大人の事情があるので、記憶を消すことにした。

しかないのでCDで手に入れたのだが、思わぬ喜びがあったのだ。

所有していた当時のLPでは、時間の制約だろうか、大方の曲がドラムとベースのソロを割愛して短く編集されていた。

すべて聴きたければ、同名で発売されていた2枚組みのアルバムを手に入れなければならない。

しかし、当時としては、それはもう法外な価格だったのだ。

それが、CDでは全曲がフル・バージョンで聴けるではないか。

私などは、それだけで狂喜乱舞。迫力に欠けるジャケットのことなど、すっ飛んでしまった。

何ともいい時代になったものである。

中でも、アルバム・タイトルでもある【Straight,No Chaser】は勿論だが、なんといっても【JAPANESE FOLK SONG】とクレジットされている【荒城の月】がフル・バージョンで聴けるのはありがたい。

1966年の来日ステージで披露して以来、同年のニュー・ポート・ジャズフェスティバルでも熱演しているし、それ以後も、幾度か演奏されている曲である。

何故、モンクがこの曲に引かれたのかは知る由もないが、この演奏の中に答えが隠れているように思える。

モンクの奏でる【荒城の月】は、紛れもなくモンクの曲になっていた。

それに感化されたように、いつになく熱いソロを展開するチャーリー・ラウズやラリー・ゲイルズのベース・ソロも秀逸だ。

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