I Girasoli|ひまわり

この映画を観たのは10代の後半だった。

ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの円熟した演技で、かなりヒットした作品である。

内容は、戦争により引き裂かれてしまう夫婦の物語りだったぐらいにしか覚えていないが、ひまわり畑が使われていたシーンだけは、今でもはっきり思い出すことができる。

突然、スクリーン一杯に夥しいひまわりの群れが映し出され、その圧倒的な黄色の凄まじい迫力たるや、周りからはいくつもの感嘆の声があがったほどだった。

いつだったか、偶然、TV観る機会があったが、やはり迫力に欠け、あの時のように胸に迫る思いは味わえなかった。

やはり映画館とTVとではまったく別の代物になってしまうようだ。

無理とは思うがもう一度あのシーンをスクリーンで観たいものである。

因みに、私がはじめて、女性とふたりっきりで映画を観た記念すべき作品でもある。

観終わった後で彼女がそっと涙を拭うのを見て、新鮮な驚きと、何かいけないものを見てしまったような気まずさを感じたことを思い出した。

何と、私にもこんな時代が存在したのだ。今はそのことに一番驚いている。

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