ウイスキー人口が増加していると聞かれるようになって久しいが、ここ数年のウイスキー事情を考えれば、それが眉唾ではなかったことが身に染みて理解できるようになった。
しかし、そのせいで、ウイスキー好きとして喜んでばかりいられないことが増えてきたのも事実である。
それでも、以前なら『茶色いお酒』と言って口から遠ざけているような若い世代の方も飲まれるようになったのは、嬉しいことと受け止めなければいけないのだろう。
店でも、ご来店なさった若い方がウイスキーを注文される機会が増えている。
しかし、中にはちょっとばかり苦笑してしまいそうな方もお見受けするのだ。
その手の方は、開口一番『モルトは何がありますか?』とおっしゃる。
そして、押しなべてドヤ顔なのである。
おそらくは、スコッチのシングル・モルトを指していらっしゃると思われるので、少ないながらも店置きしてある銘柄をお出しするのだが、お気に召されたことは数少ない。
昨今の時流からすれば、遅れているのだろうが、元来、スコッチと言えばブレンデッドが好きな私なので、シングル・モルトは平均的な銘柄しか置いていないので致し方ないだろう。
だからと言って、目の前にバーボンしか並んでいない店で、このセリフを吐かれるのも如何なものかと思ってしまう。
それ以前に、ブレンデッドにもモルト・ウイスキーがあることをご存じないのだろうか?
とは言え、振り返れば、掃いて捨てるほどの若気の至りを重ねてきた身なので、そこは寛容に対応させていただいている。
そんなことを考えていると、無性にスコッチが飲みたくなってしまった。
それも、好きなシェリー系の味が、無性に恋しくなってしまったのだ。
この手のシングル・モルトでは、昔から好きで愛飲している【EDRADOUR】しか見当たらない。
でも、相方用に仕入れたのがあるはずとゴソゴソ探すと【Glen Dronach】【Ben Riach】【Glengoyne】【Glenfarclas】の4銘柄がでてきた。
私にしては、何とも贅沢なラインナップだ。
置き場所がある限り、この系統も増やしていこうかと思案中である。
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