2010年の話題作である。
好きな女優さんが2人も出演していることを知り、観ることにした。
結果、腑に落ちない描かれ方があり、消化不良が残ってしまった。
そこで、原作本を手に入れ読んでみることにした。
ベストセラーは読まないと決めている天邪鬼な私には珍しいことであるが、お陰で消化不良も癒え、納得もいった。
活字を映像に置き換える難しさの論議は、幾度となく繰り返されているが、結論に至ることは、おそらく無いだろう。
しかし、映像表現に向く作品と、活字でしか表せない部分をもつ作品があることは確かだ。
この作品で言えば、確実に後者だろう。
主人公が裡に秘めた怨念の深さが、映像では、厚みの無い怖さだけが際立ってしまうからだ。
それは、俳優さんの演技力などとは別次元のことであり、作品自体が持つ世界観に他ならない。
近頃は、ベストセラーになった作品は、概ね映画化されている。
後先はどちらでもいいが、両方に触れてみると面白い発見ができることだろう。
その上、日がたったベストセラー本は、恐ろしくお値打ちに手にできるのもありがたい。
そんなことを考えている私の頭の中には【ひとつぶで、2度おいしい】という、古いCMのコピーが流れている。
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