飲み比べ|ジャック・ダニエル

棚の整理をしていたら【ジャック・ダニエル】だけで7種類あることが判明しました。

品数で言えば一番多いことになります。

大好きなワイルド・ターキーでさえ5種類なので、あらためて驚きました。

そこで、折角ですので驚きついでに飲み比べです。

ジャック・ダニエルについて

【ジャック・ダニエル蒸留所】は、テネシー州のリンチバーグにあり、アメリカン・ウイスキーの中では断トツの出荷量を誇っています。

黒いスタンダード・ボトルは、コンビニなどでも見かけるので、ご存じの方は多いことでしょう。

アメリカン・ウイスキーの中では【テネシー・ウイスキー】(以下、テネシー)に分類され【バーボン・ウイスキー】とは一線を画しています。

【テネシー】の特徴ともなっている、サトウカエデの木炭でろ過する工程を除けば、原材料や製造法などは、ほとんど同じと言えます。

それでも尚且つ【テネシー】の名に拘るのは、歴史的な背景がありますが、そのあたりは機会があれば紹介します。

日本で入手できる【テネシー】の多くは【ジャック・ダニエル】で占められていて、その他では【ジョージ・ディッケル】と【アンクル・ニアレスト】ぐらいしか見当たりません。

以前、ちょっとだけ【テネシー】を深堀しているので、興味があれば参考にしてください。

Jack Daniel’s Old No.7【ジャック・ダニエル】

お馴染みのスタンダード・ボトルです。

ジャック・ダニエルに共通するバニラ系の香りは弱く、代わりに溶剤系のアルコール感があり、苦みのように感じられます。

ジャック好きな方は、それをドライだと感じられるようです。

刺激的なものを感じないのは、コーンの比率が高いマッシュビルとチャコール・メローイング製法の産物なのでしょう。

ですから、飲み方としては何かで割って飲むのがいいようです。

現に、アメリカではコーラで割って飲まれることが多いようで、出荷量の半分近くはこの飲み方だと言われています。

最近は、【ジャック・コーク】という缶入りの商品が発売されましたので、それも頷けます。

私の好みとしては、辛口のジンジャーエール割りにライムを入れた飲み方が気に入っています。

Gentleman Jack【ジェントルマン・ジャック】

ジャック・ダニエルの中では、マイナーなアイテムに入るでしょう。

チャコール・メローイングを2回施して、よりいっそうマイルドになっています。

溶剤系のアルコール感も無く飲みやすいのですが、以前飲んだ時は、そのあたりが物足りなく感じていました。

ところが、今回あらためて飲んだところ、深みがある飲み口で、非常に好印象だったのです。

私の趣向が変わったのか、ボトルの違いなのかは判りませんが、今回一番の収穫で、めでたくお気に入りに加わりました。

何かで割って飲むならスタンダードでいいですけど、ニートで飲むならコチラをおすすめします。

近頃、若干値上がりしていますので、今のうちにお試しください。

Bottled In Bond 【ボトルド・イン・ボンド】

ボトルの印象から、スタンダードの100プルーフ版かと思いましたが、まったく別物でした。

今は形骸化されたとは言え【ボトルド・イン・ボンド】と明記されているだけはあります。

アルコール感と同時に、豊かな香りを感じますが、飲みなれていない方には刺激的に感じるレベルでしょう。

かと言って、トワイス・アップにすると、本来の持ち味が弱まってしまうので、ほんの少し加水するのをおすすめします。

骨太のテネシーを味わいたい方におすすめします。

Single Barrel【シングル・バレル】

【シングルバレル】につられた挙句、ガッカリした経験をお持ちの方はいらっしゃると思います。

私もその一人ですが【ジャック・ダニエル】に関しては、その心配は無用でした。

味と香りのバランスが良く、その完成度の高さに驚くと思います。

穀物系の甘さに加え、樽香と共に適度なスパイス感が広がり、アメリカン・ウイスキー好きには至福な瞬間を味わえます。

値が張ることを除けば、欠点を探すのが難しいアイテムです。

懐に余裕があったり、頑張った自分へご褒美をあげたいときなどにおすすめします。

余談になりますが、アルコール度数が94プルーフ(47度)なのも、ニートで飲むには絶妙だと感心しています。

Haru
Haru

購入される際は、90プルーフ(45度)のボトルも散見されますので、ご注意ください。

Single Barrel 100proof【シングル・バレル・100プルーフ】

スタンダードなシングルバレルの100プルーフ版で、免税店向けのアイテムです。

『アメリカン・ウイスキーで迷ったら、色の濃い方か、度数の高い方を選べ』と言うのが鉄則になっています。

でも【ジャック・ダニエル】に関しては当てはまらないようでした。

僅か6プルーフ(3度)の違いなのですが、アルコール感が増すことで、全体のバランスが崩れてしまいます。

何よりもガッツリ感を第一に求める方にはいいのかも知れませんが、私は犠牲になってしまった味わいの方を取りたいです。

すべては、飲み手の趣向なので何とも言えませんが、旨味のあるガッツリ感を味わいたい方にはおすすめできます。

Rye 【ライ】

【ジャック・ダニエル】のマッシュビルはコーンの比率が高いことで知られています。

それを、ライ麦を70%と逆転させた【ライ・ウイスキー』です。

ライトでスムースが持ち味である【ジャック・ダニエル】を、そのまま【ライ】で造った感じでした。

【ライ】特有の粗野なところが無く、ライ好きからすれば物足りなさが残る飲み口です。

そこの見方を変えれば、飲みなれていない方には丁度いいともいえるでしょう。

認知度は上がってきたとは言え、独特の風味で好き嫌いが分かれていることを考えれば、そう思ってしまいます。

と言う訳で、否定もおすすめもできませんが、興味があればお試しください。

Haru
Haru

あくまでも私の基準なのですが、価格的にどうか?と訊かれたら、返答に困ってしまいます。

Single Barrel Rye 【シングル・バレル・ライ】

創業150周年を記念してリリースされたシングルバレル・シリーズです。

スタンダード・ライの評価が上のような状態だったので、半信半疑でしたが、やはりシングルバレルは別物でした。

厚みがありバランスの取れた飲み口の中にも、しっかりとライの風味が感じられて、満足感があります。

ここでも『ジャック・ダニエルを飲むならシングルバレル』の信仰は生きていました。

とは言え、シングルバレルの価格帯ですので気軽に飲めるアイテムではありませんが、価格に見合っていることは保証できます。

スタンダードを2杯飲むか、シングルバレルを1杯にするかは、ご自身で判断してください。

まとめ

正直に言えば、テネシーは【ジョージ・ディッケル】が好きなので【ジャック・ダニエル】を飲み比べたのは久しぶりでした。

そのお陰で、【ジェントルマン・ジャック】のような、とてもいい発見があったのも事実です。

飲まず嫌いは良くないと思いつつ、変な偏見から遠ざけていた銘柄も、試しに飲んでみると印象が変わることが判りました。

後日【シングルバレル・バレルストレングス】と【ゴールド】も入荷予定ですので、今回を機会にジャックダニエル愛が膨らみそうな予感がしています。

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