秋の夜長におすすめしたい、ラム

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ラムと言えば、モヒートやフローズンダイキリなど、夏をイメージされる方が多いと思います。

やはり、生産される国が暑い地域に多いこともあり、夏の浜辺で飲むイメージが強いのでしょう。

そういう私は、昔からラムと言えば、秋から冬の寒い季節を想像してしまいます。

Haru
Haru

昔から風邪の特効薬として【ホット・バタード・ラム】を愛飲しているからかも。。。

近頃のように、急に秋めいて、夜などは肌寒さを感じるような季節になると、無性に甘さを含んだラムが飲みたくなってしまうのです。

そこで、甘い口当たりのラムを4種類紹介します。

甘さの中にも、それぞれの個性が感じられる銘柄ですので、これを機会に冬のラム・デビューされてはいかがでしょう。

ディプロマティコ・レゼルバ・エクスクルーシバ

【ベネズエラ共和国】:スペイン系

1959年創業のウニダス蒸溜所の製品で、一般的なラムとは違う特殊な製法で造られることで知られています。

3種類の蒸留器(コラムスチル、バッチケトル、ポットスチル)で造られた原酒を、それぞれオーク樽で熟成してライト、セミヘビー、ヘビーの3種類のラムを作り、それをブレンドしています。

その結果、それぞれのタイプの特徴が調和して、複雑で芳醇な味わいのラムに仕上がっています。

軽やかなラムの香りの後に、邪魔にならない甘さが広がりますが、舌先に残ることなく消えていきます。

濃厚さを求める方には物足りなさを感じるかも知れませんが、まとわりつくような甘さが無いのには好印象を受けます。

今回のイチ押し銘柄です。

絶妙なバランスで織りなす、甘さ、コク、さわやかさを、ニートでゆっくりと味わってください。

パンペロ・アニバサリオ

【ベネズエラ共和国】:スペイン系

ベネズエラを代表するラムメーカーの一つである【パンペロ】

ラム好きの方なら聞き覚えのある名前ではないでしょうか。

中でも、2種類のアメリカンオーク樽で8年熟成された【アニバサリオ】が有名です。

前出のディプロマティコと生産国が同じなので、味わいは似通っていますが、ドライ感が増した分だけ、よりビターな味わいになっています。

ビターさを軽さと取るかどうかで、好みが分かれるところです。

それを念頭に置けば、今回の4種類の中で、最も知名度が高いうえに、価格も手頃なので気軽に飲んでいただけるでしょう。

ボトルのデザインも可愛らしいので、女性におすすめしたい銘柄です。

アプルトン・エステートレアブレンド12年

【ジャマイカ】:イギリス系

アプルトンは、ジャマイカで最古と言われているラムメーカーで、サトウキビ栽培から瓶詰めまでを、すべて自社で行うことでも知られています。

国内のシェア率がNo.1なのにもうなずけます。

イギリス系のラムには、押し並べてオーク樽由来の苦みがありますが、このアイテムは、それが長く後を引きます。

ウイスキー好きでしたら気にならないレベルですが、甘さを求める方でしたら賛否が分かれる部分でしょう。

甘さだけではなく、スパイシーさや奥行きを味わいたい方におすすめする銘柄です。

Haru
Haru

気が付けば、現行ボトルのデザインが変わって、名称も【エステートレアカスク】になっていました。度数は43度のままなので味わいも変わっていないと思いますが、近いうちに飲み比べてみます。

パッサーズ・ガンパウダープルーフ

【ガイアナ共和国】:イギリス系

今回紹介する中で一番の変わり種ラムです。

ラベルのデザインからして、イギリスを連想できるように、1970年まではイギリス海軍御用達の銘柄で、一般では飲めなかったアイテムです。

それが1979年から一般向けに販売されるようになり、現在に至っています。

ガイアナ共和国内のデメララ蒸留所で、現在でも300年前から受け継がれている木製の蒸留器が使われていることでも知られています。

ラインナップの中でも【ガンパウダープルーフ】は、ラムでは珍しい【54.5%】と高いアルコール度数が特徴的で、これは海軍に配給されていた当時と同じ度数とのことです。

これは水増しされていないかを、船上で調べるための度数らしく、その他にも海軍で支給される顛末など、面白い記述が多いですので、興味のある方は検索してみてください。

イギリス系のラムの特徴でもある、ウイスキー感を伴った力強さだけではなく、優しさも加わった味わいは秀逸です。

ここ数年来、ラムの中では、一番手にする機会の多いボトルですが、飲み手を選ぶのは否めません。

それでも『ウイスキーにも慣れたので、次はラムでも飲んでみようかな?』とおっしゃる方には、自信をもっておすすめできます。

できればニートでゆっくりと味わっていただきたいのですが、流石にアルコール度数【54.5%】からくる刺激は強いので、少し加水するかトワイスアップにすると飲みやすくなるでしょう。

Haru
Haru

因みに、イギリス海軍でのラム配給廃止となった日【ブラック トット デー】の、52周年を記念して、2022年に発売された限定シリーズ【パッサーズ・デフォード・ドックヤード・リザーブ】も、間もなく入荷予定です。

YouTubeでパッサーズの物語を見つけましたので貼っておきます。

まとめ

ラムの生産地は、ほとんどが植民地だった地域ですので、宗主国の違いが、そのまま味わいとなっています。

大別すると

  • イギリス系【RUM】:甘さを伴ったウイスキー感がある。
  • スペイン系【RON】:甘さが強く出ている。(但し、大陸と島では趣が違うので要注意)
  • フランス系【RHUM】:甘さが弱く、ブランデー感がある。

このように、味わいや【表記】も違うので、何を飲もうか迷ったときの参考にしてください。

今回はイギリス系とスペイン(大陸)系の中から選択してありますが、フランス系のラムは、一般の方が想像するラムの味わいと違いますので、今回は割愛しました。

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