久しぶりに心に響く作品と出逢えた。
【ハリー・ディーン・スタントン】扮する、頑固なラッキーの生き方に拍手をしてしまったのだ。
この作品は彼の遺作でもある。
役柄と同じ実年齢90歳とは思えない演技、いや演技ではないのかも知れないと思えてくるのだ。
医師からヘルパーを雇えと言われると、自分でできると鼻で笑う。
『一人で孤独じゃ?』と聞かれると『”孤独”と”一人暮らし”は、意味が違う』と答える。
そのくせ、死を意識しだすと、様子を見に寄ってくれた女性に『ほんとは怖い!』と打ち明ける。
そして、たどり着いた彼の答えに納得してしまった。
でも、若い方がこの先品を観たなら、まったく違った印象を受けるかもしれない。
それは、これからの生き方を考える年代と、死に様を考える年代との違いだろうと考えれば納得できよう。
そして、恐らく無理だろうが、90歳になった自分の姿に思いを馳せながら
『ラッキーは、いつもブラディ・マリーを飲んでいたけど、私ならやっぱりバーボンだろうな』
とつぶやいてみた。
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