少年が大人に成長していく過程と分岐点を扱った作品で、原作はスティーブン・キングである。
その意味では【スタンド・バイ・ミー】にも通じる部分があるように思う。
原作者の作品に疎い私などは、スティーブン・キングと聞けば、真っ先にモダン・ホラーと浮かんでしまう。
しかし、非ホラーの作品も数多くあり、映画化されているものでは【ショーシャンクの空に】や【グリーンマイル】など、心を打たれる作品が思い浮かぶ。
日常の中で、どこのでも転がっていそうな謎を膨らませていく作風には定評があると聞く。
確かに、登場す津たびに克明に語られる町の名前や登場人物からは、たとえそれが空想の世界だとしても現実味を感じされてしまう。
閑話休題。
作品に戻れば、主演のアンソニー・ホプキンスは言うに及ばず、主人公のボビーや女友達のキャロルなどの子役たちがイキイキとしているのが印象的だった。
それと、蛇足を承知で書かせてもらえれば、ボビーの母親の性格だけは、最後まで好きになれなかったことが残念だ。
子供ならば誰もが心のどこかに秘めているアトランティスへの思いが、大人になるにつれ薄れてしまう。
それを是とするか非とするかは個人の自由なのだが、できることなら、いつまでも秘めていたいと思うようになった作品である。
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