ハイド社は、自前の蒸留所は持たず、樽買いしたウイスキーを独自に熟成して販売する【ボンダー】と称されるメーカーです。
かつてのアイルランドには多く存在していたようですが、現在では珍しい存在のようです。
そして、ハイド社の特筆すべきところは、熟成樽への熱意なのです。
【すべては樽で決まる】との理念のもと、世界各国から集められた、選りすぐりのヴィンテージ樽での熟成を経て製品化されると聞けば、飲みたくなって当然でしょう。
現在、日本で発売されている3アイテムの中から、先ずは【ヘリテージカスク】を選んでみました。
バーボン樽熟成のシングル・グレーン(75%)と、オロロソ・シェリー樽熟成のシングル・モルト(25%)のブレンドを、アイリッシュ・スタウト樽で後熟したブレンデッド・ウイスキーです。
近年、耳にすることが多くなったスタウト樽とは、黒ビールの熟成に使われる樽のことで、後熟に使うとカカオ系の風味が感じられるとされています。
スタウト樽では、ジェムソンのスタウトエディションも知られていますが、それに比べるとスタウト感は希薄で感じるまでには至りませんでした。
配合の比率から見ても、バーボン樽熟成のシングル・グレーンが幅を利かせていて、期待していたモルトのシェリー感も控えめになっています。
それでも、ブレンデッドとして全体のバランスは非常にいいので、そのあたりがハイド社への高評価につながっているのでしょう。
それに、熟成樽への熱意には、充分共感できるものがありました。
この他に入手可能な2アイテム【バーボンカスクNo.3】と【シェリーカスクNo.6】も試してみたくなり購入しましたので、入荷次第、飲み比べてレビューします。
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