ジン・トニック飲み比べ

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【ジン】について

スピリッツとは蒸留酒を指す言葉ですが、その中でも【ジン】【ウォッカ】【テキーラ】【ラム】は、世界の4大スピリッツと呼ばれています。

今回のテーマになっている【ジン】は、穀物を原料とした蒸留酒に、ジュニパーベリー(ネズの実)を中心とした香草・薬草類・フルーツなどで香りをつけ、再蒸留して製造されたスピリッツです。

この香りをつける材料は【ボタニカル】と呼ばれ、【ジン】の味わいを決める中心的な要素になっています。

Haru
Haru

一般的に【ジン】と言えば【ドライ・ジン】を指すことが多いですので、以降は、それに習って進めていきます。

今回は、ジン・ベースのカクテルの中でも【ジン】を【トニック・ウォーター】で割った、ポピュラーなロング・カクテル【ジン・トニック】で飲み比べてみました。

古くは、ジンとトニック・ウォーターだけで作るのが基本とされていましたが、現在では爽やかさを増すためにライムやレモンを加えるのが一般的になっています。

【ジン・トニック】は、2種類の素材を混ぜ合わせるだけですので、ベースに使用する【ジン】の種類により、味わいが大きく変わってきます。

【トニック・ウォーター】との相性も含め、飲み比べてみましたので、お気に入りの【ジン】を見つける参考にしてください。

ゴードン|Gordon’s [47.3%]

ロンドン・ドライ・ジンの代名詞的な銘柄です。

創業は1769年と古く、初めてジン・トニックを生んだブランドとしても知られています。

私は昔から【ゴードン】好きなので、銘柄の指定が無い限りカクテル・ベースとして使う場合が多いです。

特に【ジン・トニック】や【マティーニ】のような、ジンの風味を味わいたいカクテルには【ゴードン】一択です。

【ゴードン】は、ジンの風味の元になっているジュニパーベリーを前面に出した古いタイプの飲み口ですので、好き嫌いは分かれるでしょう。

それでも、トニック・ウォーターの苦みとの相性の良さと相まって、飲み応えのある【ジン・トニック】に仕上がります。

Haru
Haru

残念ながら、現行品の度数は43%に下がっていますが、まだ47.3%の店在庫はありますので、暫くは楽しんでいただけます。

ジンに関して言えば、ゴードン愛が強すぎると自覚していますので、以後の感想は、そのあたりを加味して読んでください。

タンカレー|Tanqueray [47.3%]

通常は10種類前後のボタニカルを使い製造されますが【タンカレー】は、厳選した4種類のみで製造されています。

中でも、柑橘系がまったく使われていないことで、ドライでクリアな飲み口になり【タンカレー】の特徴となっています。

その飲み口のため、トニック・ウォーターの甘さが際立つ【ジン・トニック】に仕上がります。

甘過ぎると感じる方には、トニック・ウォーターとソーダで割る【ジン・ソニック】をおすすめしたいです。

ソーダで甘さを抑えることで【タンカレー】のドライ感が増して、すっきりとした飲み口になります。

Haru
Haru

フランク・シナトラに因んだカクテル【フランシス・アルバート】は、ワイルド・ターキー8年とタンカレーとの銘柄指定になっていますので、そのために在庫してあるようなものです。機会があればお試しください。

ボンベイ・サファイヤ|Bombay Sapphire [47%]

厳選した10種類のボタニカルの風味が【ボンベイ・サファイヤ】の特徴になっています。

非公開にされることの多いボタニカルが、ラベルの裏側に明記されているのは、自信の裏返しなのでしょう。

ベースとなるスピリッツの原料も、100%冬小麦を使うなど、プレミアム感があり、香りと味わいでは頭一つ抜けている銘柄です。

逆にそれが邪魔をしてトニック・ウォーターとの相性は良いとは言えません。

ソーダを使う【ジン・リッキー】や【ジン・フィズ】の方がおすすめできます。

どうしても【ジン・トニック】で飲みたい場合は、ライムを使わない方が、本来の香りと味わいを楽しめるでしょう。

Haru
Haru

女性からの支持が多いのは、青いボトルのせいだと思っていましたが、柑橘系中心の香りが女性に好まれるようです。

無骨な私には似合わない銘柄なので、滅多に手をださないできましたが、今回久しぶりに飲みました。

ビーフィーター|Beefeater [47%]

ビーフィーターの特徴を表すとすれば、味わいと香りのバランスの良さに尽きます。

派手過ぎず簡素でもない香りは、決して邪魔にならないので、カクテルのベースとして使われることが多い銘柄です。

ネグローニのように全体のバランスで味わうカクテルには、私も【ビーフィーター】を使います。

当然、トニック・ウォーターとの相性も良いので、飲みやすい【ジン・トニック】に仕上がります。

その半面、ジンの風味を味わいたい方には、物足りなさを感じられてしまうことでしょう。

特に、一般的な40%のタイプですと、それが顕著に表れると思います。

正統派のロンドン・ドライ・ジンとたとえられることもある銘柄ですので、先ずはここからスタートするのがおすすめです。

Haru
Haru

良くも悪くも、無骨なゴードンの対極にあるのがビーフィーターだと思っています。

飲みやすさの面ではビーフィーターに軍配が挙がりますので、ジンを飲み始める方におすすめします。

プリマス |Plymouth [41.2%]

イギリスに現存する最古の蒸留所で生産される銘柄です。

カクテル・ブックのバイブルと称されるサボイ・カクテル・ブックのジン・ベースのほとんどはプリマスが指定されています。

私も、当時のレシピで作るクラシック・ギムレットが飲みたくて仕入れました。

あくまでも柔らかく穏やかな飲み口が特徴なので、まるでトニック・ウォーターだけを飲んでいるような【ジン・トニック】に仕上がります。

お陰で、ジンの風味が苦手な相方からも、これなら飲めるとお墨付きをもらえました。

Haru
Haru

ロンドン・ドライ・ジンを代表する4銘柄プラス・ワンとして紹介しましたが、あまりにも優しすぎる飲み口が癖になりそうなので、常備することにしました。

まとめ

昨今の【クラフト・ジン】ブームのお陰で、これまで裏方のイメージが強かった【ジン】が、やっと表舞台に立てるようになったのは嬉しいことです。

国産の銘柄の中には日本的な味わいを追求した個性豊かな製品も見受けられます。

私も2,3銘柄の【クラフト・ジン】を試してみましたが、味わいと価格のバランスを考えて、在庫するのを断念しました。

今回も、開店当時からある代表的な【ロンドン・ドライ・ジン】4銘柄と【クラシック・ジン】1銘柄の飲み比べになっています。

どちらかと言えば、古くからある味わいの【ジン】ばかりですので、お気に入りが見つからなければ【クラフト・ジン】も試されるのをおすすめします。

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