|プリマス・ジン|ローズ・コーデュアル・ライムジュース|
ジン・ベースのカクテルで【マティーニ】と並び称され人気がある【ギムレット】
名作として名高いハード・ボイルド小説の中の1節で有名になったこともあり、男っぽいカクテルの代名詞にもなっています。
『ギムレットには、まだ早すぎる』の名台詞は、誤解されて伝わっていることが多いです。小説を読めば一目瞭然なのですが。。。
現行では|ジン|フレッシュ・ライム・ジュース|砂糖|をシェイクしてショート・カクテルとするのが一般的です。
それは、ひと昔前とは違い、ライムが手に入りやすいためだと思われます。
そのため、ジンの風味に強い酸味が加わった、かなりドライな飲み口になるので、男っぽいカクテルと言われるのでしょう。
でも、件の小説に出てくる【ギムレット】は、レシピ自体が違うので、飲み口も違っているのではと、ずっと思っていました。
本当のギムレットはジンとローズのライムジュースを半分ずつ、他には何も入れないんだ。
ロング・グッドバイ 村上春樹訳
ここで出てくる【ローズ社のライム・ジュース】と言うのが曲者で、日本での販売がなく、中々入手しづらい銘柄なのです。
私が若かったころには、海外旅行のついでに買ってくるくらいしか手立てがない厄介な代物でした。
それが今ではインターネットのお陰で、居ながらにして手にすることができるようになったのです。
とは言っても、ロンドンからの発送なので、それなりの時間とリスクはあります。
今回も昨年末に手続きしたものが、数日前にやっと届きました。
ほぼ2か月かかったことになります。
一方【サヴォイ・カクテルブック】にある【バローズ・プリマス・ジン】は普通に流通していますので、あとは作るだけです。
ジン特有の風味を抑えたベースと、同量の甘いライム・ジュースをステアしてロック・グラスに注げば、念願の【クラシック・ギムレット】の完成。
現行の【ギムレット】とは真逆な甘くて優しいその味は『ギムレットには、まだ早すぎる』の語源にもなっている ”いち日を〆る一杯” に相応しいものでした。
物語の最後になって、死んだはずのテリーに、このセリフを言わせるレイモンド・チャンドラーに乾杯です。
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