シェリーとは
【シェリー】は、スペインのアンダルシア地方で造られている酒精強化ワインの総称です。
酒精強化ワインとは、醸造の過程でアルコールを添加して度数を高めたワインのことで、味にコクが増し保存性も高くなります。
一般的はワインは15%未満ですが、酒精強化ワインはそれ以上で、中には20%を超えるものもあります。
この他では、ポルトガルの【ポート】【マデイラ】、イタリアの【マルサラ】などが広く知られている酒精強化ワインです。
ひと口に【シェリー】と言っても、フィノ(辛口)からペドロ・ヒメネス(極甘口)まで数種類あり、一般的に辛口のシェリーは【ドライ・シェリー】と呼ばれています。
今回使用する【ティオ・ペペ】は、ドライ・シェリー入門用に最適な銘柄として知られています。
余談ですが、ウイスキーの熟成で使われるシェリー樽とは、シェリーの熟成に使用した樽のことで、最近は他の酒精強化ワインの樽も使われるようになっています。ウイスキーが好きな方なら耳にした名前があるでしょう。
シェリー・トニック
|トニック・ウォーター|
シェリーをトニック・ウォーターで割ったシンプルなカクテルです。
シェリーを単体で飲むのには抵抗がある方でも飲んでいただけるので、シェリー入門用に如何でしょう。
サッパリと爽やかなので、これからの季節には打ってつけです。
レモンスライスを添える場合もありますが、シェリーの風味が消えてしまうので、当店では使いませんので、ご要望の方は、ご遠慮なくおっしゃってください。
アドニス
|スイート・ベルモット|オレンジ・ビターズ|
20世紀初頭には飲まれていたと言われる、シェリーを使った代表的なカクテルです。
ワインを原料とする2種類のお酒をミックスしただけなので、それぞれの個性が際立ちます。
スイート・ベルモットの仄かな甘さが加わり、ドライ・シェリーの刺々しさが和らぎます。
因みに【アドニス】とはギリシャ神話の美の女神【アフロディーテ】に愛された美少年の名前だそうです。味からは想像できませんが。。。
バンブー
|ドライ・ベルモット|オレンジ・ビターズ|
上で紹介したアドニスのベルモットをドライに変えてたカクテル。
横浜グランドホテルのバーが発祥とされる説が有名で、名前からしても、その信憑性は高そうです。
ドライなお酒を2種類合わせているので、非常にドライな飲み口になっています。
竹を割ったような飲み口から名前が付いたとも言われていますので、想像してください。
私は飲むたびに『ひょっとすると、辛口の日本酒がお好きな方向けかな?』なんて思っています。
ロック・ア・コー
|ジン|マラスキーノ・チェリー|
同様のレシピ【フィノ・マティーニ】とは、ジンとシェリーの比率が違っていて、コチラは同量になっています。
上で紹介したバンブー同様、ドライな飲み口ですが、ジンの風味のせいでアルコール感が強まります。
基本的に、アルコールが苦手な方にはおすすめできませんが、ジンが好きでしたらお試しください。
甘過ぎるので、私が苦手にしているマラスキーノ・チェリーは、このカクテルに関しては必須アイテムだと思っています。
アラワク
|ダーク・ラム|アンゴスチュラ・ビターズ|
南アメリカ大陸の先住民であるアラワク族の名前が付いたカクテル。
名前からラムを使うのか、ラムを使うからなのか、どちらが先かは判りませんが、ダーク・ラムとドライ・シェリーの相性は気に入っています。
アラワク族はジャマイカの先住民族とのことですので、ダーク・ラムは、ジャマイカ産のマイヤーズを使うことにしています。
ダーク・ラムのせいで毒々しい色合いですが、見た目とは裏腹に爽やかさも感じられます。
歴史的に考えれば、支配する側とされる側を混ぜ合わせるという意外なレシピですが、癖になる飲み口です。
番外:バーテンダー
その名も【バーテンダー】というカクテルを知ってから、どうしても飲みたくなり必要な材料を揃えました。
【ジン】【ドライ・ベルモット】【オレンジ・キュラソー】は既に使っていたので、あとは【デュボネ】【ドライ・シェリー】を加わえるだけでした。
『それだけのために仕入れたの?』と言いたげな相方の視線は、見なかったことにしました。
すべてが揃ったところで、憧れの【バーテンダー】を作り試飲した結果
んんん。。。
材料が多く、味を調えるのが非常に難しいカクテルとのことでしたので納得していますが、完成までには、まだまだ長い道のりです。
そこで、それぞれ単体では気に入ったので【デュボネ】と【ドライ・シェリー】のカクテルをメニューに加えることにした訳です。
今回の【ドライ・シェリー】は、その第1弾です。
第2弾の【デュボネ】は、後日アップしますのでお待ちください。
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