Mrs. Palfrey at the Claremont|クレアモントホテル

長期滞在型のホテル「クレアモントホテル」で展開される物語である。

老婦人のミセス・パルフリーと青年ルードを中心として、淡々と、しかもテンポよく展開される。

老人を主題にした作品だが、家族を含め、周りの人たちと理解し得ないもどかしさは、老若男女、誰にでも起こりえることだろう。

物事には始めがあれば終わりもある。永遠に続くように思えた恋も、いつかは形を変えてしまう。産まれた命には、必ず終わるときがやってくる。

そして、人の死には、残された者への問いかけが含まれているようだ。

その答えを探し続けることも、弔いの形だと言っていいだろう。

一昨日、私もその立場になってしまった。

これまで、既成の弔いに馴染めないできたのだから、私なりに弔うしか手立てが見つからない。

まずは、それが正しいのか、間違っているのか、その答えを探すことから始めてみようと思っている。

穴のあいた時間を埋めようと手にしたこの作品を観ながら、そんなことを考えてしまった。

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