
これまで、ブランデー系のお酒は置いていなかったので、ブランデーを使うカクテルはメニューにありませんでした。
それが、ひょんなことから【カルバドス】が加わりましたので、代表的なカクテルをご紹介します。
コニャック、アルマニャックと並び、世界3大ブランデーのひとつとして知られている【カルバドス】を使ったカクテルをお試しください。
カルバドスって?
【カルバドス】の知名度は低いので、ご存じない方が多いと思いますので、少しだけ説明いたします。
一般的なブランデーは【ブドウ】を原料にした蒸留酒ですが、それ以外に【リンゴ】を原料としたアップル・ブランデーも存在します。
その中でも、フランスのノルマンディー地方で製造されたものだけが【カルバドス】と呼ばれています。

その他の地域で製造されたものは【アップル・ブレンデー】と言われます。シャンパーニュ産をシャンパンと呼び、それ以外はスパークリング・ワインと呼ぶのと同じです。
【ブドウ】と【リンゴ】との違いだけですが、その違いは、そのまま味わいにも表れていて、リンゴ特有の風味と柔らかな酸味が口の中に広がります。
リンゴ好きな方でしたら虜になってしまうかも知れません。
尚、リンゴを原料としたお酒では【シードル】の方が知られていますが、こちらは醸造酒なので、スパークリング・ワインと同じ区分けになります。
つまり、大雑把に言ってしまえば【シードル】を蒸留したものが【アップル・ブレンデー】だと言っても間違いではありません。

【カルバドス】も、生産地域により3種類に分類されていますので、深堀したい方は【カルバドス】片手に、ご自分で検索してみてください。
ピンからキリまである【カルバドス】ですが、今回は、カクテルのベースとして最も定評があるブラー社のグラン・ソラージュを仕入れました。
カル・トニック|Cal Tinic

【カルバドス】のトニック・ウォーター割りです。
サッパリとした喉ごしで飲みやすく、ウイスキーのハイボールを常飲されている方にも飲んでいただけるでしょう。
私の好みなのですが、ビターを1dash加えるとキリッと引き締まりますので、店ではひと振りしてお出ししています。

手っ取り早く【カルバドス】を味わいたい方におすすめします。
カルバドス・カクテル|Calvados Cocktail

名前からして”そのまんま”のカクテルですが、正直言って【カルバドス】感は少ないです。
|カルバドス|オレンジジュース|ホワイトキュラソー|オレンジビター|をシェイクして作ります。
この配合ですので、リンゴよりもオレンジ感が前面に出ています。
試飲した相方の感想は『ぼやけたオレンジジュース』でした。
印象は悪いですが、飲みやすさと捉えれば納得できる答えです。

ショート・カクテル入門用におすすめします。
ジャック・ローズ|Jack Rose

【カルバドス】を使った代名詞的なカクテルです。
元々はアメリカのスピリッツ【アップル・ジャック】で作られたカクテルらしいのですが、生産量が極めて少ないために【カルバドス】で代用するようになったとの説があります。
その名残で、アメリカでは【アップル・ジャック・カクテル】とも呼ばれているとのことです。
リンゴの風味、グレナデン・シロップの甘さ、ライム・ジュースの酸味のバランスが絶妙なので、人気があるのも頷けます。
赤い外見や、ほんのりと甘酸っぱい味わいからして、女性的な印象ですが、カクテル言葉は『元気な冒険者』とのことです。

初めて【カルバドス】のカクテルを飲まれる方におすすめします。
アップル・カー|Apple Car

ブランデーをベースした有名なスタンダード・カクテル【サイド・カー】の【カルバドス】版です。
同じブランデー・ベースのカクテルですので、飲み口の違いに大差はないですが、レモンの酸味を強く感じるかも知れません。
やはり、リンゴ特有の酸味との相乗効果なのでしょうが、フルーツ感が増したとも言えます。
【サイド・カー】の重量感を和らげてくれるので、より飲みやすくなった印象です。

一般的なブランデーの風味を苦手にしている方におすすめします。
ベントレー|Bentley

車に詳しい方ならご存じのイギリスの高級車メーカー【ベントレー】の名を冠したカクテルです。
経緯は不明ですが、亡くなられたエリザベス女王が愛飲していた【デュボネ】を使いますので、そのあたりなのかも知れません。
【カルバドス】の香りと【デュボネ】の風味が合わり、濃厚な赤ワインを連想させる飲み口になっています。
『主役は俺だ!』と【デュボネ】が言っているようです。

赤ワインが好きな方におすすめします。
まとめ
【カルバドス】を使った代表的なカクテルを5点紹介しました。
全体的にリンゴが持つフルーティーさを感じるものが多いです。
一般的なブドウを原料としたブランデーのようなアルコール感は少ないので、ショート・カクテルの中では飲みやすい部類に入るでしょう。
これまでショート・カクテルを敬遠されていた方にも、是非、挑戦していただきたいです。
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