「昔ね、こんなお酒を飲んだことがあるの」そんな話から出来上がったカクテルです。
ご近所に住まわれていて、よく独り飲みにいらっしゃる女性が、随分前に、どこかの店で飲んだカクテルが飲みたいとおっしゃるので『ならば作ってみよう』ということになりました。
そして、居合わせたお馴染みさんも加わり、彼女のおぼろげな記憶を辿りながら、あーだこーだと出来上がったのがこのカクテルです。
早速、ひとくち飲んでみたところ、爽やかで美味しかったのですが、オリジナル・カクテルと呼ぶには、あまりにも申し訳ないようなレシピなのです。
結局はメニューには載せずに、知ってる人だけが注文できることにしたのですが
『名前がないと注文できない』
とおっしゃる。
またまた、あーだこーだと始まるのかなと思った刹那、カウンターの端で飲まれていた女性がポツリと、
【バブルの残骸】
突然のことでしたが、一同、妙に納得。
少なからずバブル期を経験している私としては、やるせなさを感じなくも無かったのですが、名前として採用することにした訳です。
後日、彼女に命名の由来を聞いたところ、いまだにバブルを引きづっている上司から理不尽な扱いをされた日の帰りだったとのことでした。
それ以来、お越しになると必ずリクエストしてくださいます。
『Haruさん、アレ!』と言って。
Haru
興味のある方は、小声で【バブルの残骸】と、言ってくだされば、喜んでお作りします。
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