サザン・カンフォートのカクテル

Soco(ソコ)の愛称でも知られている【サザン・カンフォート】が誕生したのは、1874年アメリカ南部のニューオリンズだとされています。
禁酒法の弊害で粗悪品が多かったバーボンに、フルーツやスパイスを加えて飲みやすくした ”ウイスキー・リキュール” が出発点とのこと。
その後、改良を重ねて80年代に【サザン・カンフォート】と名称変更されました。
転換期は、1900年のパリ万博で金賞を受賞し、世界的に名が知られるようになったとあります。
オリジナル・レシピは公開されていませんが、有志が集まり、当時の味を再現した結果は ”ピーチが香るスパイスの効いたバーボン” だったそうです。
現在は、ベースがスピリッツに変更され ”フレーバード・リキュール” に分類されています。
カクテルで使う場合は、主にピーチの香りが強いので、フルーツ系のリキュールとして重宝されています。
【スカーレット・オハラ】【ダブル・レインボウー】といった、名の知れたショート・カクテルも多いのですが、今回はロング・カクテルに絞って紹介しています。
私が飲んでいたバブル末期のバーでは見かけましたが、流行ったと言えるほどではありません。
でも ”ひょっとして、これから流行りが押し寄せるのでは” と淡い期待を抱きながら紹介しますので、是非お試しください。
○○割り

最も気軽に【サザン・カンフォート】を楽しめる飲み方です。
私が最初に飲んだのも、コーラで割った ”ソコ・コーク” でした。
いや、正確に言えば、京都のロックバーで、アメリカ帰りのマスターから、現地で買ってきた【サザン・カンフォート】なるものを飲まされて、思わず掃き出しのが最初ですが、それは黒歴史として封印してあります。
基本的に何で割ってもいいのですが、私がおすすめしたい組み合わせを4種類紹介します。
- 【コーラ】:"ソコ・コーク" として、古くから良く飲まれている組み合わせです。多少甘すぎるきらいはありますが、私が若いころの定番でした。ちょっと70年代を体験されてはいかがですか。
- 【ジンジャーエール】:コーラでは甘すぎる方におすすめします。当店は辛口のジンジャーエールを使用していますので、スッキリと飲んでいただけます。
- 【オレンジジュース】:こちらも定番の割材です。ピーチの香りがするソコには柑橘系のジュースがよく合います。中でもオレンジジュースとの相性は定評があります。
- 【トニックウォーター】:あまり知られていませんが、私が好きなので載せました。トニックウォーターの苦みがいい仕事をしてくれて、スッキリ感が倍増します。
これ以外でも、割り材があれば対応できますので、お気軽にお尋ねください。
サザン・スパークル|Southern Sparkle

|サザン・カンフォート|パイナップルジュース|レモン|ジンジャーエール|
〇〇割で【サザン・カンフォート】を気に入ってくださった方むけの、次のステップです。
ピーチとパインの香りに、レモンの酸味とジンジャーエールの爽やかさが加わった、ワンランク上の味わいになっています。
次に紹介する、欧米では代表的とされる【アラバマ・ハスラー】ほど濃厚さがありませんので、スッキリと飲んでいただけます。
日本では、コチラの方が知られていますので、我々の味覚に合っているのかもしれません。
今回の分水嶺(ぶんすいれい)的な位置づけになりますので、よろしければ両方試された上で、好みを探されるのも楽しいと思います。
アラバマ・スラマー|Alabama Slammer

|サザン・カンフォート|アマレット|スロージン|オレンジジュース|
70年代初頭に、アメリカ南部のアラバマ州立大学を中心に流行して、一躍サザン・カンフォートの名を広めたとされています。
定番のオレンジジュースに加えて、アマレット、スロージンが加わり、フルーティーな飲みやすさに繋がっています。
欧米では、サザン・カンフォート・ベースのロング・ドリンクとして最も知られていると聞いていますが、日本での知名度は高くありません。
久しぶりに飲みましたが、若いころの印象とは違い濃厚さが先にきて、私の年齢では些か手に余る感じでした。
でも、今の若い方の感覚では、上の【サザン・スパークル】では物足りなさを感じるかもしれませんので、これが標準だと思います。
ジャック・ター|Jack Tar

|ラム|サザン・カンフォート|ライム|
横浜にある老舗バーが発祥だとされる、日本産のカクテルです。
基本的にはラム・ベースのカクテルですが、サザン・カンフォートの風味を強く感じますので、コチラで紹介します。
オリジナルへの敬意として指定通りに、ベースのラムは【ロンリコ151(75.5%)】を使っています。
サザン・カンフォートのフルーツ感のある甘さとライムの香りで、高アルコールを感じさせない滑らかな口当たりになっています。
ただし、飲みやすいと言ってもウイスキー程度(40%前後)のアルコールはありますので、飲みすぎには、くれぐれもご注意ください。
シシリアン・キッス|Sicilian Kiss

|サザン・カンフォート|アマレット|レモン|
ピーチと杏仁豆腐の甘い香りが重なる、大人のデザート・カクテルで、非常に甘い味わいになっています。
江國香織さんの作品(神様のボート)で、頻繁に出てくることで認知度を増した経緯もありますので、小説好きな方はご存じかもしれません。
ママはシシリアンキスというカクテルをのんでいた。
カクテルをつくるのはパパの役目で、パパのつくるシシリアンキスは「倒れそうに甘くて病みつきになる味」だったそうだ。
グラスの液体はとろりとした琥珀色で、「午後の戸外の飲み物として、あんなに幸福なものはない」らしい。
氷が日ざしをうけてみずみずときらめくのだそうだ。
江國香織「神様のボート」
通常は【3:1】もしくは【2:1】の割合で作られますが、あまりにも甘すぎるので、店ではレモンを加えて甘さを調節してあります。
ご注文の際におっしゃってくださればオリジナル・レシピで提供できます。。。でも、甘いですよ。
カンフォート・バーボン|Comfort & Bourbon

|サザン・カンフォート|バーボン|
単純に【1:1』の割合で混ぜるだけですが、私が最も好きな飲み方なので、お邪魔した店で【サザン・カンフォート】を見つけると、お願いして作ってもらいます。
マイナーというか、そもそもカクテルとして認知されていないようなので、ご存じないバーテンダーさんもいらっしゃいますが、至極単純なので、説明すると快く(?)作ってくださいます。
単純さ故(ゆえ)に、使うバーボンにより味が変わるので、何を使うのかワクワクしながら待つのも楽しみのひとつです。
自分で作るときも、いろいろ代えては悦に入っています。
サザン・カンフォートの誕生した経緯を考えれば ”原点に近づいた味だ” と思い込んでいるのは、私だけでしょうか?
因みに【カンフォート・バーボン】だけは、オリジナル(35%)ではなく、甘さを抑えたブラック(40%)を使っています。
プロの酔っぱらいとしての拘りなのですが、某蒸留所のドライなバーボンとの相性がいいのは保証します。
私からおすすめする、バーボン好きに味わってほしい逸品です。

