酒場のオヤジの呟き

『マスターは、好きなことを仕事にしているから羨ましい~』と、よく言われる。

おっしゃる通りである。

好きなことを通り越して、ワガママ放題の店なのに、足繁あししげく通ってくださる方々に対しては、まったくもって頭が上がらない。

酒はもちろん、飲むことが好きな方々との会話は、私の方が楽しませてもらっているし、その上に代金をいただくのではと、心苦しく思ったりもしている。

ほぼ99%の方々がそうなのであるが、問題なのは、残りの1%の方である。

お相手するのは、正直、骨が折れる。

疲れもする。

気も滅入るし、腹も立つ。

それでも、大切なお客様に変わりない。

ご来店くださっただけでもありがたい。

感謝しなければいけないのだろうが。。。

かねがね【プロの酔っ払い】を自称している身からすれば、滄海の一粟と笑い飛ばすべき事がらに違いない。

しかし、残念かな、その境地には程遠いようだ。

歳を重ねたお陰で角が取れ、ずいぶん丸くなったとしてもである。

勢いだけで注文し、飲み残された酒をシンクへ流すときなど、いたたまれないほどの寂寥感が沸いてくるのだ。

そんな夜は、自分にご褒美をあげることにしている。

きっと、相方も大目に見てくれるに違いない。

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