P.S. I Love You|PSアイラブユー

相方と初めて観たときは、さしたる印象がなかった作品だった。

それは、主演女優がヒラリー・スワンクだったからかも知れない。

彼女は、私が好きになれない女優のひとりなのだ。

理由は、単なる私情からなのだが、彼女の出ている作品は、ずっと敬遠してきた。

仮に、彼女の役がケイト・ベッキンセールあたりだったら、傍目もはばからず号泣していたかもしれない。

そんなことを差っ引いた上で、あらためて観てみると、非常に奥行きのある物語だった。

しかし、通り一遍の心温まる恋愛物語として観てしまえば、そこには気づかないかも知れない。

自分に残された時間を知ったとき、それをどのように使うのか。

自分のため?家族のため?社会のため?

ジェラルド・バトラー演ずるジェリーは、最愛のホリーのために使った。

先に逝く無念さでもなく、淋しさでもなく、残された人への思いだけで最後の時間を使い切った。

ただそれだけの話なのだが、その思いが、痛いほど心に染みてくる。

“君は僕の人生だった。
でも僕は君の人生の一部でしかない。”

これは、先に逝かなければならない人が、残される最愛の人に向ける最良の言葉だと思えるのだ。

P.S.某氏が歌う日本版の主題歌は、主題がずれている。

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