樽からの量り売りが中心だったバーボンを、初めて瓶詰め密封して販売したとされている【オールド・フォレスター】
バーボン通を名乗る方々には、1870年創業の【ブラウン・フォーマン蒸留所】の看板アイテムとして、絶対的な人気を誇っていました。
でも、バーボンを飲みはじめて間もない若かりし私の印象は『旨いけど高い』でした。
それが、2004年に店をオープンし、ラインナップに加えた頃の印象は『旨い!』だけになりました。
30年余りで、私の生活環境が多少なりとも改善された証として、美味しくいただいていた訳です。
ところが、暫くして【オールド・フォレスター】は、市場から姿を消してしまったのです。
それが、数年前からまた見かけるようになったのですが、残念ながら【86プルーフ】の製品になっていました。
【オールド・フォレスター】と言えば、元祖【100プルーフ】的な存在だったので、私の落胆も大きかったです。
市場に出回りだした経緯については、2018年に新設された蒸留所の製品とのことを、最近になって知りました。
暫くして、待ちに待った【100プルーフ】が、シグネチャーと銘打って出回るようになったので、早速飲んでみました。
味わいのドライ感が増したような気がしましたが、バランスが崩れる程ではなく【オールド・フォレスター】らしさは健在でした。
【オールド・フォレスター】の特徴と言えば、特徴が無いところです。
言い換えれば、バランスがあまりにも完ぺきなので、特徴的な部分を感じないのです。
このあたりが日本ではあまり人気がなかった要因なのでしょう。
でも、この完ぺきでブレることのない安定感を知ってしまうと『ようこそ、オールド・フォレスター・ワールドへ』となることを受け合います。
因みに、シグネチャーとは何ぞやと調べてみましたが、ボトルド・イン・ボンドと区別するためのようで、深い意味は無さそうでした。
それと同時に年号の入った銘柄も加わっていました。
画像にある【1897】は、ボトルド・イン・ボンドの販売を開始した年号で、中身もそれになっています。
味わいも深みがあって、昔飲んだものに近いようにも感じましたが、印象の方も『旨いけど高い』だったので、時代は繰り返すようです。
その他では、創業年【1870】を冠した90プルーフ、最初のボトリング年【1920】を冠した115プルーフ、映画・キングスマンからヒントを得た【ステイツマン】95プルーフあたりが日本で手に入ります。
マニア的な方々には絶対的な人気を誇る【オールド・フォレスター】ですが、一般的な知名度は低いのが現状です。
これを機会に、古いタイプのバーボンには珍しく、口当たりが優しいのに味わい深い飲み口ですので、是非お試しください。
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