穢れと茶碗 【日本人は、なぜ軍隊が嫌いか】

井沢元彦(著)平成6年 祥伝社
私たちには、気がつかないうちに刷り込まれてしまった感覚がある。
それは、宗教観だったり生活観だったりと人様々なのだが、気づかずに過ごしていることが多い。
中でも日本人特有の感覚である【穢(けが)れ】は、その最たるもので、知らず知らず価値判断の基準になっているにも関わらず、そのことに気づいている人は殆んどない。
著者は、家庭内で使用者が固定されている茶碗や箸を例に挙げ、それをわかり易く説明している。
例えば、箸を使う文化圏で割り箸、つまりは使い捨ての箸を使うのは日本だけだという。
それを説明するには古代まで遡(さかのぼ)らなければならず、その根底に流れているのは、消毒や洗浄では落とすことができない【穢れ】の思想らしい。
それ以外にも、平安時代における検非違使(けびいし)や、戦時下における日本とアメリカの戦略の違いを例に挙げ、日本人気質に分析を加えている。
一部には、こじつけとも取れる表記もあるが、基本的には私も賛同できる内容だった。
平易な文体で書かれているし、自分では気づかずにいる刷り込まれてしまった感覚を知る意味で一読しても損はない一冊だろう。


